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【地域の差】黒・緑・黄緑・黄色? 地域で違う「おはぎ」の不思議

【地域の差】黒・緑・黄緑・黄色? 地域で違う「おはぎ」の不思議

おはぎと言えば「小豆あん」の赤紫色、「きなこ」の黄色、あともう一色は何色?え、おはぎってこしあんのことじゃないの?そもそもおはぎとぼたもちの違いって?緑のあん、黄色のあんのぼたもちはどこのもの?地域によって色も味も違うおはぎの不思議。地味だけど興味深いおはぎの地域性を大調査!


こんにちは、あまいもの担当のこむぎこです。
"あまいもの担当"と名乗っているわたくしですが、個人的には洋菓子よりも和菓子が好きです。とくに粒あん。粒あんを使ったシンプルな和菓子と言えばぜんざいやおはぎは定番ですが、その定番にも地域差があるのです。あなたの地域のおはぎは、何色ですか?

予習:おはぎとぼたもちの違い

(粒あんをたっぷりまとった美味しそうなおはぎ)

本題に入る前に「おはぎ」の基礎知識から。おはぎとは、もち米とうるち米を合わせて粗くついたおもちを小豆あんやきな粉で包み込んだもの。お彼岸に食べる和菓子として親しまれています。「あれ、ぼたもちとどう違うの?」とお感じの方もいるかもしれませんね。実はこの2つ、基本的にはおなじ食べものなのです。

「お萩」と「牡丹餅」

ではどうして名前が2つあるのか。漢字で書くと少しわかりやすいかもしれません。おはぎは「お萩」、ぼたもちは「牡丹餅」と書きます。萩の花が咲く季節は秋、牡丹の花が咲く季節は春、そしておはぎやぼたもちが食べられるのはお彼岸の時期。そう、つまりは季節によって呼び名が変わるのです。

(萩の花)

牡丹の咲く春のお彼岸には「ぼたもち」と呼び、萩の咲く秋のお彼岸には「おはぎ」と名前が変わります。小豆の粒をそれぞれの花に見立てたものだと言われており、正式には、花の大きさの違いからぼたもちの方がおはぎより大きいのが本来のようです。

(牡丹の花)

粒あんとこしあんの違いではない

(ほくほくの粒あんっておいしいですよね)

こしあんがおはぎで粒あんがぼたもち、と思われている方も多いようですが、本来は逆だったと言われています。理由は小豆のとれる季節。小豆の収穫期となる秋には採れたてを使うため、小豆の皮が柔らかく、粒あんにしてもおいしいあんができます。そのため、秋に食べるおはぎが粒あん。冬を越し皮が固くなってまった春の小豆は皮を取り除きこしあんに加工されるため、ぼたもちはこしあんだったのです。

ただし、現在では季節によらずおいしい小豆がとれるようになり、こしあんか粒あんかは、お店のオリジナリティのひとつとなっているようです。

本題:おはぎの色、あなたは何色派?

(粒あんおはぎときなこおはぎ)

ではいよいよ本題に。まぎらわしいので、今回は統一して「おはぎ」と呼ぶことにします。さてこのおはぎ、一般的には主に3色(3種類)で売られているのを目にしますよね。小豆あんの赤紫色と、きなこがまぶされた黄色、ではあともう一色、皆さんは何色を思い浮かべますか?

「黒」の黒ごま派

(たっぷり黒ごまがまぐされた黒いおはぎ)

「黒」を思い浮かべた方はおそらく東日本にゆかりのある方。小豆、きなこ、黒ごまの3色が東日本の方々には一般的です。ごまはお店によって、粉状にしたすりごまタイプと、粒のままの炒りごまタイプと分かれるようですが、小豆あんを包んだおもちにごまがまぶされていることは共通しています。

「緑」の……

一方で「緑」を連想した方は主に西日本の方のはず。緑と言えば、抹茶? いえいえ、おもちのまわりにまぶされているのは抹茶ではなく「青のり」。

(ふっさふさの青のりがいっぱい!とってもいい香り)

西日本では青のりを和菓子に用いることは珍しいことではなく、甘い豆餡で包んだ豆にたっぷりと青のりをまぶした「真盛豆」というお菓子や、青のりを練りこんだ羊羹、こしあんを包んだ青のりの麩饅頭など種類も豊富にあります。

海苔の産地でもある瀬戸内海に近いのもその要因のひとつと言われていて、薄味を好む西日本の人には、香りの良い青のりは好まれるようです。中には黒ごま同様、小豆あんが入っています。

江戸時代、その見た目や香りを楽しむために使われるようになったごまや青のりが、その土地の人々の嗜好に合わせて根づいていったのではと考えられているようです。だし文化であっさりとした味付けを好む西日本で香りの良い青のりが、醤油文化でこってりとした味を好む東日本では油分や香りの強い黒ごまが好まれるようになったのかもしれませんね。

「緑」は緑でも……

(淡い黄緑色のあんの正体は……)

ところが、実は東日本にも緑のおはぎが存在します。場所は東北・宮城県。宮城県の緑色のおはぎの正体は……そう「ずんだおはぎ」です。今や仙台の銘菓としてすっかり全国区になった、枝豆で作られたあん「ずんだ」。小豆あんのかわりに、おもちをずんだあんで包んだずんだおはぎは、青のりの緑とは一線を画す淡くやさしい黄緑色です。

(左:青のりのおはぎ、右:ずんだおはぎ)

「黄色」は黄色でも……

また、きなこと同じ黄色でも、黄色いあんのおはぎがあるのが岐阜県。栗きんとんが有名なこの地では栗あんのおはぎが存在します。通年販売されているようですが、こちらも秋に旬を迎えることを考えると、本来は秋のお彼岸、おはぎの季節に食べたいものですね。

この記事のライター

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